高原のルモンド
14. 喫煙のすすめ
2005.05
 「着剣!」の号令で銃の先に帯剣をつける。いよいよ「突撃!」である。新兵の私は身体がガタガタ震えて、どうしても止まらなかった。その時、覚えのある香りがして振り返ると上官が双眼鏡を片手にたばこをゆらゆらとくゆらせている。いかにも悠然としたその勇姿を見て私はどれほど心強かったことか…とある先輩が話して聞かせたことがある。
 私も時々、その話を思い出す。そして煙草に火をつけるが、私のは部下に見せるわけではなく、思いを確かめ自分を落ち着かせるためである。

 それにしても近頃は、やけに喫煙者いじめが多い。煙草を吸うくらいで、それほど他人様に迷惑をかけているのだろうか。それは無論喫煙の場所をわきまえないもの、スイガラのポイ捨てなどは論外である。

 しかし、「突撃」?の前もよいが、ひと仕事のあとがまたうまい。これは飴玉などでは代用できないものがある。
煙草は理屈で吸うのではない。理屈や栄養で酒を飲むのではないのと同じである。 
 筆者は十三才の頃から吸い始めて五十三才で止めた。そして六十六才で死ぬや生きるの大病を患い、現在も通院中だが小康を得ている。命がつなげて感謝しているし、目がさめたように毎日の大切さ、生きている幸せを感謝せずには居れない。
現在は七十二才だが、こともあろうにこの間からまた煙草を吸いはじめた。
 医者はどの医者も猛烈に喫煙に反対し、禁煙を強いるはず。しかし、われわれは何も悪いことをしているわけではない。

 私はこの喫煙のすすめを読んで、いま煙草を吸わないものが新たに煙草を吸いはじめることを期待しているわけではない。いまの喫煙者に自信を以って堂々と煙草を吸おうと言っているのである。「恋」はするほど艶が出ると言う。
同じように区切りをつけて煙草を吸う人間には幅が出ると思うのである。
しかし、怒るかも知れないが、女性が煙草を吸うのはみっともない、醜くすらある。これには幅もクソもない。外国の空港などで、小娘がサングラスを額に煙草を吸っているのは同じ日本人として恥ずかしくてたまらない思いである。

 あなたは後、何年生きるつもりだろうか。しかし、それは自分では決められないことである。
たばこ大いにやるべし。
たばこを吸うな、やれ塩気を控えろ。油物を食うな。われわれは例外なく明日交通事故で死ぬかもわからない現代である。勝手にしなさい。
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