宇部の朝
平成14年6月1日
カタツムリ山口県宇部市での朝。 ホテルの朝食が7時からオープンとて、待っていた私は一番に入り、窓際に陣取り箸をとりました。 街は早朝とはいえ、時折は忙しそうに車が走って居りましたが、 ふと気がつくと一人のおばあさんが銀杏並木の舗道を乳母車様の車を押して通りかかっておりました。 その様子はいかにも緩慢で90才近いのではないかとお見受けしましたが、その押し車にはビニール袋が提げてあり、 なにやら野菜のようなものが入っているよう見えましたが、それが何かすぐにわかりました。
おばあさん おばあさんは車をはなれ銀杏の根元の雑草をむしってその袋へ入れたのです。 そこが終わってまた次の銀杏の根元へしゃがみ雑草を取っています。
私は感動して朝食も忘れてガラス越しにしばらく拝見させて貰いました。
そばを中年の男性がジョギングで見向きもせず走り去りました。

ジョギングの人はご自分の健康のためだけの行動です。 しかし、そのおばあさんのされて居ることは明らかに街の美観を守るための奉仕の行動です。
ときは五月の末、涼しい朝の空気のなかを駆け抜けるジョギングはさぞ気持ちよかろうと思います。 しかし、私は、そのおばあさんのおかげで、その何倍もさわやかな気持ちになった次第でありました。
いつまでも脳を去らないその情景のため、勝手におばあさんのことについて考察をはじめました。 おそらくは以前は農業をして居られたのではなかろうか。
さもなくば雑草を見ても、それを素手でむしる発想が湧いてくるであろうか。 農家の婦人は、昔から雑草との戦いを余儀なくされたため、雑草を見たら手が出る、 ほとんど本能的ともいえるほどに雑草を除去することをためらわない。
やれ、手袋が要る。やれ、虫が居るかも知れないなどとは思わないのです。
そして連れ合いがなくなって、ひとり暮らしが続き高齢になったので街に住む子供に引き取られたと言う、 よくあるケースではなかろうか。ご主人が元気でいっしょに野良畑で汗を流した頃は、さぞ幸せであったろう。
街路樹の根元の雑草を抜きながら、そのことをきっと思い出して居られるに相違ない。

現代の人の多くは、ご自分のことしか考えない習慣がついてしまった。 かくれた積善ということについて知らない訳ではない。 電話 しかし、権利の主張ばかりが先行し、もし街路樹の根元が雑草で醜くなったときなどは、 まず市役所へ抗議の電話をすることを考える。
情けない日本になったのはいつの頃からか。 思えばそのおばあさんとジョギングの男性との対比は象徴的な現代のひとつの切り口ではありますまいか。
いまの子供には掃除をする感覚がありません。雑草もむしろうなどとは思いません。 これは将来の勤労意欲に関係することでありましょう。先生もおかしければ、PTAもおかしいのです。 長い間日本の学校はろくな教育をしていません。気がつけば、それは今の親子二代にわたっているのです。
心身の鍛錬を重んじ、文武両道を励む日本人のアイデンティティがなくなりました。
スポーツ ワールドカップのため、うやむやで終わりそうな瀋陽事件にもそれが伺えます。
ボーと立っている領事館の職員には、そのときに一喝することもできないのです。 この職員の頭にはご自分の身の保護、責任の回避しかありません。
日本は変わりました。ぐにゃぐにゃに腐りかけています。誰がそうしたのか。それはあなたにもおわかりでしょう。 確かに、そのはじめは占領軍でしょう。日本が再び強くなることが怖ろしかったのです。 しかし、問題はその後です。その尻馬に乗って、国体を破壊してまで個人の権利、自由、 平等をがなりたてる野党、マスコミ(産経を除く)、各教職員組合、 口さかしいPTAの女性役員などなど日本の歴史に誇りをもたない連中の仕業です。
中でも教職員は困りもの、いつしか子供を洗脳してしまう。 かくて日本は洗脳された権利の主張者たる個人ばかりとなり、 国家を知る立派な日本人は居なくなるのではないでしょうか。
その象徴的なものが、靖国参拝問題であり、瀋陽事件であり、 そして、ただ今難航している有事関連法制の立法であります。
政治家 自国を守るべき、ぎりぎり最小限の法案にまで反対を続けているのです。 全く考えられない事実です。なぜ要らざることに時日を費やして置きながら、 4〜50日も国会は延長されるのでしょう。ただ今の野党、反対勢力は明らかな国賊であります。
小泉首相がんばれ! 亀井さんしっかり! 石原慎太郎たのむよ!

私たちはなんとしても日本を取り戻さなくてはなりません。
希望もあります。人々に誇り高き人生を考えさせ「立派な日本人たれ」と叫び続ける 「経営者漁火会」という組織があります。
立派な日本人とは、即ち、立派な日本人たらんと努力することであります。
宇部で朝見たおばあさんもやがては終焉を迎えられることではありましょうが、 それが、やすらかであるようにお祈りするばかりであります。 ただ、そのお姿は「理屈ではない 実践だ」と時折は私をたしなめ、私の瞼にいつまでも現れることでしょう。
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