油木高校の存続問題について(続編)
平成14年3月2日
 3月1日卒業式が行なわれました。私の孫の卒業式でもあり参列することとし、 前回見た終了式を思い返しつつ、もしも相変わらず乱れた式典であったなら、 私は飛び入りで壇上に駆け上がりひと言苦言を呈すつもりでありました。 私の心配は申すまでもなく愛して止まない母校油木高校の存続を願えばこそであります。

 ところが卒業式は私の危惧に相違して、まことに整然と立派に行なわれ私を驚かせました。 壇上の正面に国旗、県旗、校旗を掲げられ、先生方の服装もきちんと正装をされて文句のつけようはありませんでした。 整列した生徒の方もしわぶきひとつなく、先般とはまるで打って変わったような、 まことに立派な態度に私は胸がつまり、こみあげてくるものを抑え切れませんでした。
 形の上とは言え一糸乱れぬこうした卒業式が実行できると言うことは、 先般のお粗末な終了式からはまだ2ヶ月ほどしか経って居ないのに、あれは一体何であったのかと、 俄かには信じ難い思いでありました。これは先生方の相当のご努力があったものと評価せざるをえません。
 私はこの伝統ある油木高校の努力に対し心から賛辞を贈りたいと思います。

 しかし、式場に於いて全く問題がなかったわけではありません。 それは「君が代斉唱」に音楽だけが流れ、全く声が聞かれなかったことです。
 先生方も、生徒も、そして、なんと後部に参列した大勢のPTAのみなさんも、 君が代のテープの音が流れるだけでただ黙ったままでした。斉唱とは全員で歌うことです。 私はこの人たちはどう言うわけで歌わないのだろうかと考えざるを得ませんでした。 生徒の方はまず教えられていないことが想像できますが、PTAの方は、 要するに学校が行なう卒業式をよそ見で見物に来ている気分で、 協力して盛り上げようなどとは思っても居ないことが伺えました。
 同時に校長や来賓の祝辞に対しても拍手が全然ない。これはただ無気力なだけでは済みません。 葬式の場とは違います、常識としてスピーチをした方に対し拍手をしないことは大変失礼なことであると思いますが違いますか?
 一事が万事、この態度でその心理がよくわかります。先生方に一任して自分はおひんとすましかえり、 なすべきことをしない無気力な親たちが一番悪いのではないか、と気がつきました。 今の親は即ち私たちの子供でありますが、油木高校を立派な優秀高校に育てるには、 まずPTAすなわち親から意識改革の再教育が必要であることを強く感じた次第です。
 つねに思うことですが、古くからの日本の伝統を私どもが死んだあと、 誰が継承して行くのか、いまのPTAを見る限りまことに心もとないものがあります。 最後にホームルームのお別れ会へも参列させて貰いましたが、 その時の担任の先生のお言葉は実に愛情のこもった立派なスピーチで感動をいたしました。
 ところがここで情けない実態を見ることとなりました。それは生徒の服装態度であります。 私どもの時代は高校生ともなれば、まず「稚気を去れ」ときびしく言われたものでしたが、 男子生徒の半数近くはズボンの外へシャツを出して襟元をはだけ、 だらしのない恰好であり先生の最後のスピーチを正面を向いて聞いていないのです。 女子もまたほとんどがルーズソックスで眉毛を細くし、まるで飲み屋のねえちゃんのようなのも何人か居ました。 そして何より残念に思ったのは、こんな立派な先生に対して全員起立して「長い間ありがとうございました」とお礼を述べて然るべきであり、 またそれが何故できないのだろうかと、すでに18才にもなるはずの生徒の幼稚さを腹立たしくさえ思った次第であります。

 帰りの道、当然のように憚らず町なかを腕を組んで歩く男女生徒のカップルを何組か見ました。 碌に常識もわきまえぬくせ、妙な方だけが発達して居り、私どもには「恥さらし」としか見えません。 ただただ見苦しい限りでありました。
 結局は、親のしつけが欠落しているわけであります。 最初は先生方に問題があると思っていたのですが、実は問題は親にあったのです。 「この親ありてこの子あり」と言います。叱れない父親、猫可愛がりの母親、ものの有りあまる現在、 ぬくぬくとした環境の中からしっかりとした子供ができるでしょうか。 私たちはみんな苦難を越えて幸せがあり、我慢があって成長があることを知って居ります。 しかし、ただ知って居るだけではないでしょうか。
 突っ張った子供も、当たって見れば意外に素直でいい子が多いのです。教育或いはしつけは親の責任です。 一時は茶髪の子が多かったものですが、現在は一人も居なくなったのは感心です。
 子供の気嫌をとる行為だけはやめましょう。働く意欲さえない子が増えて居るのです。 親孝行の気持ちさえなく自分本位の思想は日本を滅ぼすもととなり、結局は親につけが回って来るのです。 高校時代にこそ人間が決まることを忘れてはなりません。

 油木高校はここ数年、生徒募集が定員割れの状況であることは周知のことでありますが、 これが存続問題の取り沙汰される所以であり、これを挽回するには、 逆にこの静かな油木町の素晴らしい環境を利用した名門校に変えるしかありません。 そして、もし油木高校が廃校となれば油木町には何が残るのでしょう。 油木町の或いは神石郡の灯が消えるということなのです。
 この上は先生方と連絡を密にし、珠玉のようにこの油木高校を守り育てることこそ PTA、 及び同窓会諸賢に課せられた課題ではありますまいか。
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